IMAGINABLE SOUND,MY 90’S:NEWS LETTER 2014/12/1VOL.3-A

「音の記憶」そんな言葉が思いつきました。90年代から2000年代は僕が最もニューヨークを訪れた期間でした。YMCAや安ホテル、友人のアパート等アコモデーションが高くつくニューヨークでは安旅を脱する事のなかった記憶だけが残ります。エンパイアステートビル近くにあるホテル・ペンシルバニアの思い出もそのひとつ。その古く汚い大型ホテルの事を知っている人ならば、利便性以外について決してよく言う人はいないのかもしれません。時同じくして恐らく全世界で放映されていたXファイル。時差ぼけの明け方3時頃。そのホテルの一室であのアナログシンセが口笛のように奏でる奇妙なメロディーで目覚めた記憶が今も新鮮です。一昨年だったでしょうか?はじめてジェイムス・ブレイクを知ったのは。ダブの一種に含まれるというが、その何とも言えない音楽スタイルとサウンドに、自分の心の中に「今までそれがそこにあると言う事を知らなかった」ということを気付かせてもらった気がします。この余分な物が引っこ抜かれたシンプルなアナログシンセの濃淡は、その人が何をどれだけ聞いてきたかによって、そして何を想像するかによって聞こえ方が変わってしまうのかもしれません。僕はその美しさと悲しさに酔いしれました。90年代2000年代と賑やかな音の重なりが印象的だった世界の音楽史。その時を通過した耳だからこそ理解出来る音楽が今の時代にはあるのかもしれません。北欧エレクトロニカやポストロック、ダブやジャズ。自由な線引きでこれらの音楽をいつかの風景の記憶とともに楽しんでみてはいかがでしょか。

追記:Xファイルのテーマ曲の作曲者マークスノウ。テレビ・映画音楽の作曲者で探偵ハート&ハートやゴースト〜天国からのささやき、ニキータ、ゴッサムシティーエンジェルの音楽にも携わる。探偵ハート&ハートは子供の頃大好きな海外ドラマでした。ご存知の方も多いでしょうね!

IMAGINABLE SOUND,MY 90’S:NEWS LETTER 2014/12/1VOL.3-A
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