日々の練習の中で、うまくいかない箇所があると、そこを何十回、何百回と繰り返し歌うのだと思うのですが、不思議と一回だって下手に歌ってやろうとは思わないものです。
うまくいかないんだからもっとうまくいかせるためにはもっともっと!と、打開策がないまま更に回数を重ねます。
回数を重ねるという行為は練習において必要不可欠です。
ただどう回数を重ねるかには注意が必要です。
冷静になればすぐわかるのですが、そもそもうまくいかないのには理由があり、それをむやみに繰り返すということは残念ながらその失敗をより確実にさせる、つまりは”失敗を上達させる”という結果をもたらすわけです。
ずっとレッスン中に力を抜いて!と言い続けるのですが、うまくいかない殆どの方は力を抜いているとおっしゃいます。
もしくは高音を出すためには力を入れないとどうしても出ないとおっしゃいます。
先生に口答えをするわけです。笑!
気持ちはわかります。^^;
僕も声が出ないというところからのスタートでしたから。
そしてうまく行かない場合、悪い意味で自分は特別だと思いがちです。
笑い話ですが、ある生徒さんはこれだけ練習しても声が出ないのだから自分の声帯に異常があるのではないか。
いや、異常があると言ってくれ!
そしてもう楽にしてくれ!と言わんばかりに僕の主治医に診察を乞うたのです。笑
ドクターからは至って正常という無情な診断。
彼の特別な望みは打ち砕かれたのです。笑
私「力を抜いて。」
生徒さん達「いや抜いている。」
こういう時は、今のやり方と方角が違う方にも何かやり方があるのではないか。
と一旦冷静に立ち止まってほしいのです。
今までと違う方角を想像すれば、一瞬は失敗を想像するかもしれませんが、必ずしも結果は失敗だとも限りません。
力が入ってしまっている現状から言えば、初期の想像が完璧だったは言いにくいのです。
つまりは力が入ってしまっている現地点からのその反対側に、もしくはその付近に答えがあることが大いに有り得るというわけです。
失敗を恐れず振り幅の大きいトライ&エラーを試してみて下さい。
そして練習を楽しんで見て下さい。^^。
その後の彼ですが、
無事に高音をたやすく出せるようになり、「こんなにも力を抜くとは想像していませんでした。」という無情なお言葉を頂きました。笑!
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