今週最後のレッスンは「聴く事」についてアドバイスをする機会が多い日でした。
以前にも書いたことがあるかもしれません。
常々発声のレッスンで伝えていること。
それは「歌う」という動詞は非常に多くの「聴く」という要素が含まれているということ。
車の運転を想像して頂けると解りやすいかもしれません。
「運転する」という動作を実際に行っているのは手や足ですが、そこには絶対に「見る」という要素が必然不可欠なわけです。
見ることなしでは手も足も出ないのが事実です。
ただこの「手も足も出ない状況」と言うのは、実際に肉体的危険が想像できるから手も足も出ないわけで、肉体的危険がない歌になると、知らず知らずのうちにこの危険を犯してしまうことがよくあります。
いえ、知らず知らずというよりも、気にすることもなく歌ってしまうことが多いのではないかと思うのです。
声が上手く出せない段階で陥りやすいのが、特にこの事態です。
「聴く」という作業が機能的な時、発する声は驚くほどバランスを維持します。
もし発声にお困りであれば、是非「歌う」という動作の中に存在する「聴く」に関心を持ってみて下さい。
それでは本日のおすすめはThis Masquerade / Vocal&trumpet, Scat – Harii & The BossaNova Cowboysです。
動画初め部分のトランペット(笑)を是非ご確認下さい。
「歌う」という動作の中の「聴く」がご覧になれるかもしれません。
それでは良い日曜日を。